メールマガジン バックナンバー
2026/10/09 横山航平法律事務所メールマガジン(No.50)
大変ご無沙汰しておりました。横山航平法律事務所の弁護士の横山航平です。 私事ですが、昨年4月から、3人の小学生の子どもを育てるシングルファーザーとなり、仕事、家事、子育てに奮闘する毎日を送っています。 忙しさを理由にメールマガジンの配信をしばらくお休みしておりましたが、このたび再開することにいたしました。 【カスハラ対策が義務付けられました】 令和8年10月1日から、企業にカスタマーハラスメント(いわゆる「カスハラ」)への対策が義務付けられました。大企業だけでなく、中小企業を含むすべての事業主が対象です。 カスハラとは、顧客や取引先などによる言動で、その内容や態様が社会通念上許容される範囲を超え、従業員の就業環境を害するものをいいます。 例えば、大声で怒鳴る、侮辱する、過大な要求をする、長時間にわたり電話を切らせない、といった行為です。 もっとも、「苦情=カスハラ」ではありません。 商品やサービスに問題があれば、顧客が苦情を述べるのは当然です。問題となるのは、要求そのものに理由がなかったり、要求の方法や程度が社会常識を超えていたりする場合です。 これまでのように「お客様だから仕方がない」と従業員に我慢を求めるだけでは済まなくなります。 長くなりますので、次回は「正当なクレームとカスハラの境界」について、具体例を挙げながらご説明したいと思います。 【AIの活用】 メルマガ配信をお休みしていた間に、とてつもないスピードでAIが発達しました。 私も仕事でかなり活用しています。相談したいことや調べたいことを直接入力して意見を聞いたり、書面を読み込ませて反論案を考えさせたり、コラムの原案を作らせたりしています。 私が使い始めた2年ほど前は、日本語がやや不自然だったり、PDFやファクス書面をうまく読み取れなかったりしました。また、「ハルシネーション」といって、存在しない事実や法律を、いかにも本当らしく作り上げてしまうこともありました。 そのため、当時は「せいぜい80点くらい」と考え、そこから人間が間違いを直し、日本語として自然な文章に仕上げる必要がある、という感覚でした。 ところが、この1年ほどの進歩は驚くほどです。 日本語としておかしなところはほとんど見当たらなくなり、むしろ私の文章が校正される方が圧倒的に多くなりました。 自分では正確に書いているつもりでも、長年の癖があります。それを端的に指摘されると、「勉強になるなあ」と感心します。 また、法律知識だけでなく、法律解釈や具体的な事案への当てはめ」、書面に説得力を持たせる表現、妥当な結論や事件の落としどころまで、「なるほど!」と思わせる指摘をされることがあります。 司法試験の勉強を10年ちょっとやり、弁護士になって約18年。 なんということでしょう(笑)。 とはいえ、独立して一人で仕事をしていると、自分の間違いや癖を他人から指摘してもらう機会は意外とありません。間違った知識や表現を、気付かないまま何年も使っていることもあり得ます。 ですので、「初心忘るべからず」の気持ちで、AIからの指摘も真摯に受け止め、自分自身のスキル向上につなげるようにしています。 人に指摘されると、つい意地になったり反発したりすることがありますが、AIに指摘されても不思議と腹が立たないのも良いところです。 最近では、勝手に「AI師匠」と呼んでいます。 もちろん、AIにすべてを任せられるわけではありません。 依頼者のお気持ちに本当に沿った結論なのか。AIに入力していない前提事情や背景事情まで考えれば、本当にその結論でよいのか。 最後は、これまで培ってきた知識と経験をもとに、人間である弁護士が判断し、修正しなければなりません。 AIを上手に活用しながら、その中で弁護士だからこそできること、人間だからこそできることは何か。 これからも常に考え続けていきたいと思っています。
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